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お鍋の中の電子達

お料理をしていて、お鍋の性質についてなんて、あまり考えたりしませんが、お料理上手な人だと、お料理によってお鍋を変えたりするのかな?

昨日、うっかりお鍋を焦がしてしまいました。コゲを重曹で取りながら、お鍋に使われている金属の熱伝導と重曹について考えてみました。

アルミニウム(Ar)単体のアルミ鍋が酸やアルカリに弱くて錆びやすく、ぶつけるとへこんだりするのに対して、鉄(Fe)にニッケル(Ni)、クロム(Cr)を混ぜたステンレスは、錆びにくく、簡単にはへこんだりしません。金属を混ぜているので、強度が増しているようです。

金属が光るのは自由電子が反射するからと、前に書きましたが、金属の中を自由気ままに動き回っている自由電子はが熱を与えられると、運動が活発になります。そして、まだ温まっていない冷たい自由電子にぶつかって、熱のリレー競争が始まります。

この競争は電子の金属イオン障害物競争。金属イオンがマイナスの電気を持っている自由電子を引き付けてしまうので、金属の分子の構造によって熱の伝わり方が変わってしまいます。アルミ単体のアルミ鍋の方が、構造が単純なので障害がややこしくありません。そのため、アルミ鍋の方がステンレスの鍋より熱が廻るのが早いのです。

一方、ステンレスは、いろんな金属原子の障害物があって熱伝導にムラが出来てしまうために、焦げ付きやすいようです。


アルミ鍋は、酸やアルカリに弱いので、フルーツのジャムを作ったり、作ったものをそのまま入れておくと腐食する原因になっちゃいます。ちゃっちゃと作って、さっさと食べるお料理向き。ステンレスは、じっくりお鍋をよくかき回して煮込んだりするのにいいのかも。ちなみに、ジャムを作る時には、ガラスで加工されているホーロー鍋がいいみたいです。

そして、お鍋が焦げたら重曹を使うと楽に綺麗にできるのですが、重曹の本名は『炭酸水素ナトリウム』(NaHCo3)です。この重曹に酢を加えて水を入れると二酸化炭素がブクブク発生します。酢を加えないでも、お水に入れて熱を加えると、二酸化炭素(炭酸ガス)が出ます。二酸化炭素が出てしまった後には、『炭酸ナトリウム』(Na2Co3)が残るのです。

化学式は 2NaHCo3 → Na2Co3 + Co2 + H2O

ケーキを焼くときに使うベーキングパウダーには、混ざってしまわないようにデンプンで加工されて炭酸水素ナトリウムと酸性物質が入っています。小麦粉や水と混ぜ混ぜすることで、炭酸ガスが発生してふくらむ仕組みになっています。

この炭酸ガスが出る仕組みを利用して、お酢と重曹とお水を焦げたお鍋に入れて、ちょっと熱を加えると、炭酸ガスの作用でお鍋のコゲ(まっくろコゲならベンゼンも含まれてる?)がはがれやすくなるようです。案外、身近なところに化学が潜んでいるものですね。。。

お鍋をかき混ぜながら、たまには障害物熱リレーをしている自由電子に思いを馳せるのも楽しいかもしれません。

ちなみに、高校の化学なんかで習う、地殻に多く含まれる元素の重量比(クラーク数)で、アルミニウムは酸素、ケイ素、に次いで3番目に多いといわれています。金属で一番多いのがアルミニウムなんですね。アルミニウムに次いで地殻に多いのは、鉄、カルシウム、ナトリウムと続きます。

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