四人の泥棒の酢
ベルギーで元施療院だった博物館を見学した時に、改めて中世にヨーロッパで猛威をふるった、黒死病(ペスト)の恐ろしさを知りました。
ペストについて展示されているスペースに、異様な風体の人形が飾られていました。重そうな真っ黒なマントに黒い帽子。鼻がビックバードのように長く垂れ下がった仮面。最初は、お祭りの時に病魔を演じる方が着るのかと思ったのですが、それが、お医者さんがペスト患者を診る時に着たもので、長く垂れ下がった鼻の部分には、薬草?のようなものを詰めていたとのことです。
こんな姿で治療をしていたのか・・・。悪魔っぽくてちょっと怖い・・・。
黒死病といえば、「四人の泥棒の酢(Vinaigre des quatre Voleurs)」を思い起こします。1630年、トゥールーズで黒死病が流行し、街が死屍累々の中、泥棒稼業を続けた四人。彼らは何故、感染しなかったのか?捕えられた彼らに無罪にするという条件で秘密を迫ったところ、ハーブを漬けたお酢を使っていたと言うのです。それからそのお酢は売りにだされたとか。
セージ、ローズマリー、ニンニク、ミント、シナモン、ナツメグ、樟脳、ヘンルーダってな文字が見えます。。。フランス語わからん・・・。Vinaigre des quatre Voleursで検索したらレシピっぽいのもひっかかりました。こっちは、ラベンダーとかタイムも入っているようです。3リットルは作れない~~~。。。いつか時間があったら作ってみたいと思います。
なんでこんな事を調べたかっていうと、口蹄疫と戦っているムッチーさんが牛さんにお酢を飲ませているとのことだったので。。。口蹄疫のウィルスは酸性とアルカリ性に弱く、お酢でも不活性化させることができるそうです。そのお酢に、さらに抗ウィルス作用のある成分が含まれている芳香植物を混ぜているのも、泥棒のお酢のポイントかもしれません。
以前、シナモン、レモンユーカリ、ペパーミント、それぞれ約2%濃度、ただの消毒用アルコールをろ紙に含ませて酵母菌を繁殖させた寒天培地に置いて抗菌力の実験(アロマトグラム)をしました。芳香物質が含まれているせいか、精油を含んだろ紙の周辺は、消毒用アルコールよりも菌が死んだ範囲が広いという結果になりました。植物の力ははやり侮れません。ただ、価格が高いので、精油をふんだんに使うというわけにいかないのですが・・・。
空気感染する見えない敵と戦うのは、いつの時代も大変なことです。一日も早く、沈静化しますように。こちらから宮崎県産品が購入できます。
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